軸: 訓練セット / 出力 1st Workshop on Large Language Model Memorization (L2M2) 2025, pp. 95–105

Quantifying memorization in continual pre-training with Japanese corpora

TL;DR

Llama 3 を日本語 Wikipedia(一般)日経電子版の金融記事(産業特化)で 継続事前学習し、暗記を定量化した。学習が進むほど暗記が増える傾向は英語と同じで、 産業特化コーパスで顕著だった。日本語固有の傾向として Min-K% Prob より LOSS が優位であることを報告している。

位置づけ

訓練セット軸・出力軸。Ishihara 26 4·4 節と 7·2 節で引用される。 非英語かつ産業特化のコーパスでの継続事前学習における暗記を、体系的に定量化した最初の研究 と論文自身が位置づける。

学習順と忘却の効果が構造的に最大化される設定 (継続事前学習では追加コーパスが必ず学習の後半に来る)。

手法・実験

主要な知見

1. 産業特化コーパスで暗記が顕著に増える

open・closed 両設定で、日経電子版が Wikipedia より有意に大きな暗記を示した。 固有の専門用語と文体が原因と考察される。 論文は「価値ある非一般的な産業コーパスを使う際のリスク」を強調する。

2. モデルサイズの知見を再現

日経電子版で、大きいモデルほど暗記が多い。 8B Llama 3 は、わずか 1,000 ステップ(0.25 エポック)で、 Ishihara 24 の 0.1B GPT-2 が 30 エポック後に到達した近似暗記量を超えた。

3. 文脈長:コーパスによって向きが逆になる(この Wiki にとって最重要

論文の Discussion は「closed 設定でメンバーシップ推論の性能は語数(プロンプト長)とともに 向上した、特に ReCaLL と LOSS で」と述べる。ただし本文は 「日経電子版に限れば、検出性能は学習ステップ数と語数とともに増加する傾向がある」とも書く。

Table 5 の数値を読むと、コーパスで向きが分かれている

コーパス 手法 32 語 64 語 128 語 256 語 向き
Wikipedia LOSS (12000 步) 0.515 0.514 0.479 0.486 減少
Wikipedia ReCaLL (1000 步) 0.613 0.605 0.569 0.520 減少
日経 LOSS (12000 步) 0.641 0.647 0.650 0.590 128 語まで増加
日経 ReCaLL (12000 步) 0.637 0.660 0.689 0.603 128 語まで増加

重要な留保: Wikipedia での AUC はほぼすべて 0.46〜0.53 の範囲にあり、 メンバーシップ推論がそもそもほとんど機能していない(偶然と同等の)領域である。 その中での減少傾向を「文脈長の効果の逆転」と読むのは慎重であるべきだ。 一方、日経電子版では AUC が 0.69 まで達しており、そこでは増加している。

対立の台帳 1 番を大きく更新する材料。

4. 日本語固有の傾向は「手法の優劣」に現れた

[小柳 24] は日本語では Min-K% Prob が大きい K で良いと示唆したが、本研究では LOSS が Min-K% Prob を上回った。トークン分布に基づく手法は全般に性能が低く、 K を 10 刻みで変えても 0.5 以下の場合が複数あった。 論文は日本語に語の区切りが無い特性の影響を示唆する。

ReCaLL は 8 列中 6 列で最良だった。 「テキストを変換する手法は、言語固有の情報を暗黙に考慮している可能性がある」。

限界・批判

Wiki 内の接点